校長挨拶



 聞こえる、聞こえないに関わらず、子どもたちは生まれたときから、それぞれの個性や能力を持っています。そしてこの世には、友だちやいろいろな人のこと、宇宙や生命のこと、芸術や歴史など、いろいろなことがあります。知的好奇心や感性を思う存分発揮して、それぞれが好きなこと、得意なことなど、みんなとは違う、自分だけのオンリーワンを見つけてほしいと思っています。

 聞こえないことや聞こえにくいことはマイナスではありません。むしろプラスに捉えてみれば、新しい発見や経験をすることができます。ありのままの自分でいい、自分が好きという自己肯定感が、他の様々な面でいい影響をもたらします。



 
 この学校では、すべての子どもたちは手話という共通言語を持っています。聴力に関係なく、手話の環境の中にいるだけで、あっという間に身につけ、自由に使いこなせるようになります。手話は単なるコミュニケーション手段ではなく、複雑で緻密な構造をもった視覚言語であり、子どもたちが様々な知識や概念を学んだり、会話を繰り広げたり、思考を膨らませたりするのに、大切な基盤となっています。

 そして、周りにある日本語に触れながら、子どもたちは手話と日本語のバイリンガルになっていきます。2つの言語をもつことは大変なことではなく、むしろ幸せなことです。それぞれの言語について学び、多様な見方や価値観を知ることができるからです。


 さらに私たちは、多くの体験や発見、子どもたちから発せられる疑問や意見を大切にしながら、子どもが主体となった学校づくり、授業づくりを心がけています。今までに学んできた知識を使って、自分で考え、自分なりの答えを出し、現実社会で生かそうという力を身につけることを目指しています。

 そのような力を身につけて、様々な言語、文化などを持った人たちとともに、それぞれが自分らしく生きていけるような多文化社会の担い手になってほしいと願っています。